フランチャイズ詐欺の手口と見分け方は?加盟金を取り戻した事例も解説

フランチャイズ詐欺は、非現実的な売上予測や不十分な情報開示によって加盟金をだまし取る悪質な手口です。
フランチャイズへの加盟を検討しているものの、詐欺の見分け方がわからず契約をためらっている方もいるでしょう。
本記事では、フランチャイズ詐欺の実態から見分け方、実際の被害事例、そして万が一被害に遭った場合の対処法まで解説します。
契約前の書面チェックや本部の実績確認など、具体的な防衛策を身につけ、安心してフランチャイズビジネスをスタートさせましょう。
フランチャイズ詐欺とは?加盟金詐欺の実態と手口
フランチャイズ詐欺の被害は年々巧妙化しています。
ここではフランチャイズ詐欺の定義と代表的な手口を解説します。
フランチャイズ詐欺とは?
フランチャイズ詐欺とは、本部が加盟店を勧誘する段階で、意図的に虚偽または誇大な情報を提供し、加盟金や保証金などを不当に騙し取る行為を指します。
非現実的な売上予測を提示する、リスク情報を故意に隠蔽する、契約を急がせるなどの手法が典型例です。
契約後は約束した経営指導やサポートをおこなわず、加盟店の経営が困難になる事例も少なくありません。
加盟希望者は事業者として契約するため、消費者保護法の適用外となる点もトラブルに発展しやすい要因です。
よくあるフランチャイズ詐欺の手口
フランチャイズ詐欺は、勧誘時と契約時の手口が極めて巧妙です。
勧誘段階では、根拠に乏しい高い売上予測や成功事例のみを強調し、事業リスクや撤退店舗数など都合の悪い情報を隠します。
契約段階では、加盟金やロイヤリティの計算式を複雑にして後から追加請求したり、中途解約や違約金の条件を曖昧にして加盟店を縛り付けたりするのが主な手法です。
そもそも本部に複数店舗の運営実態やノウハウが存在せず、約束した経営指導が実行されないケースも一部存在します。
実態のない勧誘行為は、加盟金のみを目的とした詐欺に該当する可能性が高くなります。
フランチャイズ詐欺の見分け方
フランチャイズ詐欺を見分けるために、以下のポイントをチェックしましょう。
- 契約書と法定開示書面をチェックする
- ロイヤリティとテリトリー権を確認する
- 本部のサポート体制と経営実績を見極める
- 口コミ・評判をチェックする
特に本部から提示される資料だけではなく、口コミや評判を踏まえて総合的に判断すると、詐欺のリスクを低減できます。
契約書と法定開示書面をチェックする
フランチャイズ詐欺を見分けるためには、書面の精査が欠かせません。
飲食業や小売業などでは、法定開示書面(概要書面)の事前交付が法律で義務付けられています。
詐欺を目的にしている本部は、この書面の交付を怠ったり、口頭説明と異なる不利な条件を契約書に記載したりします。
契約をせかされても即決せず、書面を細部まで精査しましょう。
特に「加盟金やロイヤリティの算出根拠」「解約条件と違約金の設定」「過去の本部の訴訟件数」などのリスク情報は重要です。
弁護士などの専門家に依頼し、法的な観点から契約内容に不備がないか厳密に確認してもらう手法をおすすめします。
ロイヤリティとテリトリー権を確認する
ロイヤリティは、本部に毎月支払う費用のことです。
業種によってロイヤリティの仕組みや金額が異なるため、事前にロイヤリティの根拠を確認しておきましょう。
テリトリー権は一定のエリアで同一チェーンの直営店やフランチャイズ店を出店させない権利のことです。
安定して店舗運営するためには、テリトリー権が必要になります。
自店舗のエリアがどこまで保護されるかは売上に直結するため、契約前に確認しましょう。
ロイヤリティの詳しい仕組みは、以下の記事で解説しています。

本部のサポート体制と経営実績を見極める
フランチャイズ詐欺を見抜くためには、SV(スーパーバイザー)の巡回頻度や研修カリキュラム、広告宣伝の支援範囲など、約束されたサポート内容が契約書に明記されているかを確認しましょう。
口頭での「万全のサポート」は裏付けも法的根拠もないため信用できません。
また、本部の直営店が安定した収益を上げているか、既存加盟店の平均収益や撤退率はどの程度かなど、ネガティブな情報の開示も求めます。
成功事例ばかりを強調し、都合の悪いデータを隠そうとする本部には警戒が必要です。
口コミ・評判をチェックする
インターネット上の口コミやSNSでの評判は、フランチャイズ加盟の検討初期でも収集できます。
重要なのは、本部から紹介された優良事例だけでなく、複数の既存加盟店オーナーへのヒアリングです。
「サポート体制は実態どおりか」「収益予測との乖離はないか」など、現場の声を入手できると情報の信憑性が高まります。
実際に店舗を訪問し、オーナーと直接対話する機会を設けてみるのもおすすめです。
本部が既存加盟店との接触を制限したり、特定のオーナーしか紹介しない場合は、情報統制の可能性があります。
フランチャイズ詐欺の被害事例と裁判例
フランチャイズ詐欺が実際にどのように立証され、裁判所がどう判断するのかを知れば、万が一の際の対応力も高まります。
ここでは訴訟の争点から実際の判例まで、法的な視点からフランチャイズ詐欺の実態を解説します。
フランチャイズで訴訟になりやすいポイント
フランチャイズ訴訟で争点になるのは、勧誘時に提示された売上予測の合理性です。
本部が客観的根拠を持たず、あるいは意図的に数値を誇張して提示した場合、情報提供義務違反や不法行為として本部の法的責任が問われます。
契約後に約束された経営指導やSV派遣が実施されないサポート義務の不履行も、頻繁に問題視されるポイントです。
また、近隣へのドミナント出店(特定の地域に集中的に出店する手法)によるテリトリー権の侵害も、契約違反として訴訟に発展するケースがあります。
上記で挙げたポイントは、加盟店の経営を直接圧迫する重大な問題です。
実際のフランチャイズ詐欺被害事例
飲食店では、2012年に加盟店3社がフランチャイズ本部に対して訴訟を起こし、最高裁が約4,700万円の支払いを命じる判決を下した事例があります。
裁判所は、合理性のない売上予測と、サポート万全と謳っていた点が詐欺的勧誘にあたると判断しました。
証拠を集め、事実と異なると証明できれば、フランチャイズ詐欺は立証可能です。
この事例では、本部が示した売上予測と実際の収益との間に大きな乖離があり、かつ本部がその根拠を合理的に説明できなかった点が決定的な証拠になりました。
勧誘時の資料や音声データ、メールのやり取りなどは、万が一に備えてすべて保管しておきましょう。
裁判所の判決に見る詐欺的勧誘の認定基準
詐欺的勧誘(不法行為)では、フランチャイズ本部の「情報提供義務違反」が認定基準のひとつです。
判例では、加盟希望者の契約判断に重要な影響を及ぼす情報を、本部が故意に隠蔽したり虚偽の事実を誇張して告知したりした場合に、詐欺的行為と認定する傾向があります。
特に売上予測は、本部が持つ豊富な情報に基づき、合理的な根拠を持って提示する義務があると考えられています。
十分な調査を経ない非現実的な数値の提示は、情報提供義務に違反すると判断されるポイントです。
裁判所は本部と加盟店の間に情報格差があるという前提に立ち、本部により高い説明責任を課す姿勢を示しています。
フランチャイズ詐欺に遭ったときの解約方法と返金請求
万が一詐欺に遭った場合でも、適切な法的措置を講じれば被害を回復できる可能性があります。
解約の可否、返金請求の条件、そして頼れる相談窓口を紹介します。
フランチャイズ契約の解約は可能か?
フランチャイズ契約は、原則として契約期間内の一方的な解約を認めていません。
しかし、本部に明らかな詐欺的行為や重大な契約違反があった場合は例外です。
通常の解約手段には、高額な違約金をともなう中途解約や、本部との話し合いによる合意解約などがあります。
一方、勧誘時の説明が虚偽(詐欺・錯誤)だったり、約束された経営指導が提供されなかったり(債務不履行)する場合、加盟店は即時の契約解除を主張可能です。
このケースでは、違約金を支払うことなく契約を終了させ、損害賠償を請求できる可能性もあります。
フランチャイズの加盟金・ロイヤリティは返金請求できる?
原則として、加盟金やロイヤリティの返金は困難です。
契約書には通常「加盟金不返還特約」が明記されており、加盟金やロイヤリティはブランド使用権やノウハウ提供の対価とみなされるためです。
ただし、本部の勧誘時に明らかな詐欺行為(虚偽説明)や、売上予測に関する重大な説明義務違反があった場合、契約の取消・解除が認められ、返金請求が可能なケースがあります。
また、本部の都合で事業が中止になるなど、加盟店側に非がない場合は、加盟金相当額の損害賠償が認められる可能性も高くなります。
返金請求の成否は証拠の質と量に左右されるため、加盟初期から記録を保管しておきましょう。
違約金を1円も払わずにフランチャイズを中途解約する方法
違約金を支払わずに中途解約を実現するためには、本部の契約違反を法的に主張し、認めさせる必要があります。
具体的には、売上予測に関する重大な説明義務違反(詐欺的勧誘)や、契約書で定められたサポート義務の放棄(債務不履行)を指摘します。
もう一つの手段は、本部との交渉による合意解約です。
自身の健康問題や深刻な経営難など、やむを得ない事情を誠実に伝え、粘り強く交渉すれば、違約金の免除や減額に応じてもらえる場合があります。
いずれの方法も、弁護士などの専門家に相談して法的根拠を固めてから実践しましょう。
フランチャイズトラブルの相談窓口と弁護士選び
フランチャイズ本部とトラブルが発生した場合、個人での交渉は困難を極めます。
まずは中小企業庁や日本フランチャイズチェーン協会(JFA)、国民生活センターなどの公的窓口や業界団体へ連絡し、客観的なアドバイスを求めましょう。
法的措置を検討する場合は、弁護士の選定が結果を左右します。
フランチャイズ問題は特殊な法律知識を要するため、一般の弁護士ではなく、フランチャイズ契約や下請法に精通した実績を持つ専門家に依頼するのが重要です。
専門家のサポートを受けられると、交渉を有利に進められる可能性が高くなります。
詐欺に遭わないために!業種別フランチャイズ選びの注意点
同じフランチャイズビジネスでも、業界ごとに抱えるリスクや構造的な課題は異なります。
ここではサービス業界、飲食業界、小売業界の主要3業界で成功しやすいビジネスモデルを解説します。
サービス業界のフランチャイズで注意すべきポイント
サービス業界は、人件費や採用・教育コストが収益を圧迫しやすい構造を持ちます。
介護は人手不足が深刻になりやすく、学習塾や美容室なども専門人材のスキルに依存しがちです。
サービス業のなかで利益を出しやすいのは、インドアゴルフ練習場のフランチャイズです。
サブスクリプション型による安定したストック収益、無人経営を基本とした省人化運営、そして健康志向を重視する市場トレンドが強みになります。
サービス業界特有の人材リスクを回避し、効率的な経営を目指したい方は、以下の記事でインドアゴルフ練習場のフランチャイズを比較してください。

飲食業界のフランチャイズで注意すべきポイント
飲食業界のフランチャイズは、他業種に比べ初期投資(物件取得・厨房設備費)が高額になりやすいビジネスモデルです。
また、開業後もFLコスト(食材原価と人件費)の管理が難しくなりがちです。
特に人材の採用と教育は年々難しくなっており、慢性的な人手不足は経営リスクに直結します。
飲食業界のフランチャイズに加盟を検討する際は、本部のブランド力だけでなく、食材の調達ルート、そして何より人材教育のサポート体制が確立されているかを精査しましょう。
特に未経験者でも短期間で戦力化できる研修プログラムの有無は、経営の成否を分ける重要な要素です。
小売業界のフランチャイズで注意すべきポイント
小売業界のフランチャイズは、在庫リスクと人件費(特に労働集約性)の課題に直面しやすい業態です。
コンビニや物販では、仕入れた商品が売れ残ればそのまま損失となり、廃棄コストも発生します。
また、24時間営業が前提の業種も多く、慢性的な人手不足のなかでスタッフを確保し続けなければなりません。
ロイヤリティの算出方式(粗利分配方式など)が在庫ロスや人件費を考慮しても見合うか精査が必要です。
特にコンビニでは本部の利益構造とオーナーの収益構造が一致しないケースもあるため、契約前に他の加盟店オーナーから実態を聞き取りましょう。
【まとめ】フランチャイズ詐欺に遭わないように情報収集を徹底しよう
フランチャイズ詐欺を回避するためには、契約前の徹底した情報収集と書面の精査が欠かせません。
非現実的な売上予測や曖昧なサポート内容を提示する本部は避け、法定開示書面と契約書を専門家とともに確認しましょう。
既存加盟店への直接ヒアリングや本部の訴訟履歴の調査も、フランチャイズ詐欺を見分ける有効な手段です。
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