個人事業主でもフランチャイズに加盟できる?法人との違い・メリットとデメリット・税金の仕組みを解説

フランチャイズビジネスを検討する際、多くの人が「個人事業主として契約するべきか、法人化してから契約するべきか」で迷います。
結論から申し上げますと、個人事業主のままでもフランチャイズ契約は可能で、初期段階では資金面や手続き面で有利に働くケースがあります。
しかし、事業が拡大するにつれて税負担や信用力の面で法人が有利になる場面も訪れるため、一概に個人事業主がおすすめとも限りません。
本記事では、個人事業主がフランチャイズに加盟する際の具体的なメリット・デメリット、法人との違い、そして最適な法人成りのタイミングまで解説します。
フランチャイズ起業を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
個人事業主でもフランチャイズに加盟できる?法人との違いは?
多くのフランチャイズ本部は、加盟希望者が個人事業主か法人であるかを問わず、意欲や資金力を基準にパートナーを募集しています。
個人事業主のフランチャイズ加盟の可否と、法人との法的な違いや信用力の差を解説します。
個人事業主でもフランチャイズオーナーになれる
フランチャイズ加盟は個人事業主でも十分に可能で、実際に多くのオーナーが個人事業主としてビジネスをスタートさせています。
多くのフランチャイズ本部では、契約にあたって法人格を条件とはしておらず、個人の資質や資金力、事業への意欲を重視して審査をおこないます。
独立開業を目指すビジネスパーソンは、退職後に個人事業主として加盟契約を結ぶのが一般的です。
ただし、一部の大手コンビニチェーンや特殊な許認可が必要な商材を扱う本部は法人限定としている場合もあります。
個人事業主と法人の違い
個人事業主と法人の主な違いは、社会的信用力と税制、責任範囲の3点です。
初期段階では手軽な個人事業主、拡大期には信用と節税に優れる法人が適しています。
以下、個人事業主と法人の違いを表で比較しました。
| 項目 | 個人事業主 | 法人 |
|---|---|---|
| 信用力 | 限定的(融資・契約で不利な場合もある) | 高い(融資・採用・審査に有利) |
| 税制 | 累進課税(低収益時は有利) | 法人税率(高収益時は節税効果大) |
| 責任 | 無限責任(私財も弁済対象) | 有限責任(出資範囲内) |
| 開業 | 届出のみで費用不要 | 登記費用・煩雑な手続きが必要 |
開業しやすい個人事業主でビジネスをスタートし、事業が軌道に乗り利益が拡大したタイミングで法人化(法人成り)を検討するのが合理的で無駄がありません。
個人事業主がフランチャイズに加盟するメリット
法人設立には手間とコストがかかりますが、個人事業主には以下のようなメリットがあります。
- 開業費用が少なく手続きが早く終わる
- 初期の税負担が軽い
- 青色申告で最大65万円の控除がある
- 社会保険料の負担を抑えられる
- 消費税の免税期間を活用できる
具体的にどのようなメリットがあるのか解説します。
開業費用が少なく手続きが早く終わる
個人事業主は、フランチャイズに加盟する際に低コストでスピーディーに事業を開始できます。
法人設立には登録免許税や定款認証代などで約7万〜25万円の法定費用が必要ですが、個人事業主は税務署に開業届を提出するだけで済み、手数料もかかりません。
また、法人は設立登記に数週間を要するのに対し、個人は即日の開業が可能です。
本部の研修を終えてから店舗を稼働させるまでの空走期間を短縮できるため、機会損失を防ぎ、早期に収益化フェーズへと移行できるのが強みです。
初期の税負担が軽い
事業立ち上げ初期の税務上の柔軟性は、キャッシュフローの安定に直結します。
法人は赤字決算でも年間約7万円の法人住民税(均等割)が課税されますが、個人事業主の場合、所得が一定以下だと住民税の負担は少なくなります。
さらに、個人事業税には年間290万円の事業主控除があるため、開業初年度で利益が少ない時期や、設備投資で経費がかさんだ年には、税負担を低く抑えられるのもメリットのひとつです。
収益が安定しない時期の固定費を低くできるため、起業するうえでの恩恵が大きくなります。
青色申告で最大65万円の控除がある
個人事業主は、適切に会計処理すると所得から最大65万円を差し引ける青色申告特別控除を適用できます。
フランチャイズ本部が推奨する会計ソフトや指導に従って複式簿記で記帳すれば、専門知識がなくても要件を満たすことは難しくありません。
この65万円の控除は、所得税だけでなく、翌年の住民税や国民健康保険料の算定基準となる所得も引き下げる効果があります。
実質的な納税額を削減できるため、青色申告特別控除は法人にはない個人特有の節税メリットです。
社会保険料の負担を抑えられる
個人事業主は法人よりも社会保険料の負担が少なく済む傾向にあります。
法人はたとえ社長一人の会社でも社会保険(健康保険・厚生年金)への加入が義務付けられ、会社負担分と個人負担分を合わせた高い保険料が発生します。
一方、個人事業主(従業員5人未満などの条件あり)は国民健康保険と国民年金が基本となり、所得や世帯構成によっては法人よりも固定費としての保険料負担を低く抑えられるのがメリットです。
浮いた資金を店舗の運転資金や販促費に再投資できるため、初期の資金繰りに余裕が生まれやすくなります。
消費税の免税期間を活用できる
原則として、個人事業主の開業から2年間(基準期間の売上が1,000万円以下などの条件あり)は消費税の納税義務が免除されます。
これは、顧客から預かった消費税をそのまま事業資金として活用できることを意味し、実質的な利益率の向上につながります。
将来的に法人化(法人成り)する際、一定の要件を満たせば、法人設立後も免税期間を活用できる場合があるため、まずは個人事業主から始めて免税期間を使い切り、その後に法人化して通算の免税期間を活用するのが効果的です。
個人事業主がフランチャイズに加盟するデメリット
個人事業主は手軽にビジネスを始められる反面、以下のようなデメリットもあります。
- 社会的信用が低く融資や物件契約で不利
- 無限責任で全財産がリスクにさらされる
- 経費として認められる範囲が狭い
- 赤字繰越が最大3年しかない(法人は10年)
事業を長期的に継続するために、事前に把握しておくべきデメリットを解説します。
社会的信用が低く融資や物件契約で不利
個人事業主は法人に比べ社会的信用力が低く、ビジネスの基盤になる資金や拠点の確保で不利になる傾向があります。
金融機関の融資審査では、事業の継続性や組織としての実体を厳格に評価されるため、法人格を持たない個人事業主は低金利の融資枠から外れるケースも少なくありません。
また、好立地のテナント契約においても、貸主から法人契約限定を提示されたり、連帯保証人とは別に保証会社の審査が厳しくなることもあります。
希望する物件を借りられないリスクは、店舗型ビジネスでのデメリットになります。
無限責任で全財産がリスクにさらされる
経営上の失敗やトラブルが発生した際、個人事業主は自らが無限責任を負うことになります。
法人は出資額の範囲内で責任を負う有限責任が原則ですが、個人事業主には事業と個人の資産の境界が法的に存在しません。
万が一、事業で多額の債務を抱えたり、顧客から損害賠償請求を受けたりした場合、店舗の設備や在庫だけでなく、個人の預貯金やマイホーム、家財などをすべて投じて弁済しなければなりません。
このリスクの大きさは、守るべき家族がいる場合に精神的な負担になる可能性があります。
経費として認められる範囲が狭い
個人事業主は法人よりも経費として計上できる項目が限定的で、特に経営者自身の給与(役員報酬)の扱いが明確に異なります。
法人は社長への報酬を経費に算入しつつ、受け取る個人側でも給与所得控除を適用して節税できますが、個人事業主の利益はすべて事業所得となり、自分への給料を経費にすることはできません。
また、社宅制度による家賃算入や、出張手当の非課税支給、退職金積立、一部の生命保険料など、法人が活用できる多様な節税スキームも個人事業主は適用が制限されます。
赤字繰越が最大3年しかない(法人は10年)
事業所得で赤字が出た際、翌年以降の利益から差し引ける繰越控除の期間が短いのが個人事業主のデメリットです。
個人事業主の繰越期間は最大3年間に限定されますが、法人の場合は最大10年間の繰り越しが認められています。
フランチャイズ開業当初は店舗設備への投資や加盟金の償却などで大きな赤字が出やすく、その欠損金を4年目以降の黒字と相殺できないとなれば、トータルの納税額が増えてしまいます。
長期的な視点で収支を見た場合、繰越控除の期間が短いのは経営上の懸念材料です。
個人事業主が法人化すべきタイミングはいつ?
個人事業主としてスタートした後、どの段階で法人化へ踏み切るべきかは経営者の悩みどころです。
明確な所得金額の目安と、事業成長に応じた戦略的な転換期を解説します。
年間所得700〜800万円が分岐点
個人事業主が税コストの最適化を優先する場合、年間所得が700万円から800万円に達した時期が法人化の目安になります。
個人事業主に課される所得税は累進課税で、所得が増えるほど税率が最大45%(住民税と合わせると55%)まで上昇しますが、法人税の実効税率は一定(中小法人で15〜23%程度)になるため、ある一定の所得ラインで税率が逆転します。
年間所得が700万円から800万円に達すると、法人化して自身に役員報酬を支払うことで給与所得控除を適用できるようになり、世帯全体の課税所得の圧縮が可能です。
法人化を検討すべきその他のタイミング
数値上の節税メリット以外にも、以下のように事業の成長フェーズに合わせた戦略的な法人化タイミングがあります。
- 多店舗展開(2号店以降)の着手時
- 消費税の免税期間が終了する時期
- 優秀なスタッフを採用・定着させたいとき
特にフランチャイズで店舗数を増やす際は、改装費や新たな加盟金などで金融機関からの大型融資が必要になります。
個人よりも法人のほうが融資枠が広がりやすく、金利交渉でも有利に進むケースが多いため、事業拡大の直前に法人化を済ませる個人事業主が多くなります。
インボイス制度がフランチャイズ加盟を検討する個人事業主に与える影響
2023年10月から開始されたインボイス制度は、個人事業主の経営戦略に大きな変化をもたらしました。
消費税の納税義務と取引先との関係性を理解するために、インボイスの概要とビジネスモデル別の影響を解説します。
インボイス制度の概要
インボイス制度(適格請求書等保存方式)とは、消費税の仕入税額控除を受けるために適格請求書(インボイス)の発行・保存を必要とする仕組みです。
従来、売上高1,000万円以下の免税事業者は消費税の納税が免除されていましたが、インボイス発行事業者になるには課税事業者への転換が必須になりました。
フランチャイズ加盟者で自身がインボイスを発行できない場合、取引先(顧客や本部)が仕入税額控除を受けられなくなります。
その結果、取引先の税負担が増えるため、BtoB(企業間取引)が主体の業種では、登録の有無が契約継続や売上に直結します。
フランチャイズ業態別のインボイスの影響
インボイス制度の影響度は、そのフランチャイズが「誰を顧客にしているか」によって異なります。
BtoB中心の業種(配送、法人向け清掃など)は、顧客になる企業が仕入税額控除を強く希望するため、インボイスを発行できないと契約解除や値下げ交渉を受けるリスクが高まります。
一方、BtoC中心の業種(飲食店、学習塾、インドアゴルフフランチャイズなど)は、顧客になる一般消費者が消費税の控除を必要としないため、インボイスの有無が売上に直結するケースは限定的です。
インボイス発行事業者になるかどうかは、加盟するフランチャイズの顧客属性を踏まえて判断しましょう。
インボイスの2割特例
は2割特例が用意されています。
2割特例は、売上税額の80%を仕入税額とみなして控除し、納付税額を売上税額の2割に固定できる負担軽減策です。
複雑な経費の計算が不要になるだけでなく、卸売業などを除くサービス業では通常の簡易課税や本則課税よりも納税額を抑えられるケースが多いです。
この2割特例を適用できる期間内に事業を軌道に乗せ、将来的な法人化や経営基盤の強化を図るのが、現代のフランチャイズ戦略では欠かせません。
個人事業主でも加盟できるおすすめのフランチャイズ
個人事業主としてのスタートに適しているのは、オーナー自身の労働力に依存せず、効率的に収益を上げられるモデルです。
無人・少人数経営が可能なインドアゴルフ練習場のフランチャイズは、事業の多角化を目指す個人事業主に最適です。
特に『LAHAGOLF 24』は、予約から入館管理までをDX化しているため、オーナーが不在でも24時間営業できます。
インドアゴルフ練習場は、会員制によるストック収益が見込めるため、毎月の売上が安定しやすいのが魅力です。
インドアゴルフ練習場のフランチャイズを比較したい方は、以下の記事を参照してください。

個人事業主がフランチャイズ契約する前の確認ポイント
契約書にサインしてからでは、不利な条件を覆すことは困難です。
加盟後のトラブルを避けるために、契約前に確認すべき法的な書類や条項を解説します。
法定開示書面を確認する
契約の成否を分けるのは、契約書そのものよりも先に提示される法定開示書面です。
中小小売商業振興法に基づき、フランチャイズ本部は以下のような内容を開示する義務があります。
- 加盟金の性質
- ロイヤリティの計算方法
- 直近3期分の財務状況
- 店舗数の推移(解約数含む)
個人事業主のオーナーが特に注目すべきは、過去数年の中途解約数です。
店舗数が増えていても中途解約数が多い場合、ビジネスモデルや本部のサポート体制に何らかの欠陥があるリスクを示唆しています。
ロイヤリティの形態を理解する
フランチャイズ本部と契約する前に、収益構造を決定づけるロイヤリティの算出方式を正確に把握しましょう。
ロイヤリティには主に売上歩合方式、定額方式、粗利分配方式の3種類がありますが、それぞれリスクの所在が異なります。
例えば、売上歩合方式は赤字でも売上さえあれば支払い義務が生じ、定額方式は売上が低い時期の固定費負担が重くのしかかります。
フランチャイズの業種によっても推奨される算出方式は異なるため、資料や説明会などでロイヤリティを把握し、シミュレーションをしておきましょう。
ロイヤリティの仕組みや相場観は、以下の記事で詳しく解説しています。

競業避止義務の内容を確認する
フランチャイズ契約終了後の自由な活動を縛る競業避止義務の範囲と期間は、将来のキャリアプランを左右する重要な条項です。
多くの契約書には、契約終了後数年間、同一または類似の業種を営むことを禁じる規定が含まれています。
「将来的にノウハウを活かして独立したい」と考えていても、期間が3年以上や日本全国で禁止など、競業避止義務が不当に広い場合は契約終了後に積み上げたスキルを活かせなくなるおそれがあります。
公序良俗に反するような過度な制限が含まれていないか、弁護士などの専門家にチェックを依頼することも考慮しましょう。
【まとめ】フランチャイズは個人事業主でも始められる
フランチャイズビジネスは、無理して法人で始める必要はありません。
開業費用の安さや税務申告の手軽さなどのメリットを活かし、まずは個人事業主としてスモールスタートを切る方もいます。
そして、事業が軌道に乗り、所得が増えてきた段階で法人化を検討すると、リスクを抑えながら着実な資産形成ができます。
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