ゴルフ練習って屋外の広いアウトドア練習場でやるもの、という考えは今や古いかもしれません。
ここ数年、インドアゴルフ練習場やゴルフスタジオなど屋内でゴルフ練習ができる施設が増え、若者を中心に利用者が増えています。
シミュレーターや個人スクールが充実していて気軽にゴルフが楽しめるようになりました。
そんな中、これらの施設を利用したインドアビジネスに興味がある方も多いのではないでしょうか?
インドアゴルフ経営の形態は大きく分けて、個人経営型、フランチャイズ経営型のどちらかになります。
どちらもメリット、デメリットがありますが、これまで事業に取り組んだことがない方であれば、まずフランチャイズ経営がよいと思います。
今回は、インドアゴルフ開業の際のメリット、デメリットをまとめた上で、フランチャイズビジネスの可能性を探って行きたいと思います。
目次
インドアゴルフのフランチャイズのメリット
フランチャイズの最大のメリットは、本部のブランド力、経営のノウハウなどを享受できることです。
個人事業の場合だとそうはいきません。
すべてゼロからのスタートになります。
ブランド力が利用できる
すでに知名度のあるフランチャイズ店のブランド力をつかって開業できるので、集客に速効性があります。
お客さん側も名の知れたブランド店ですので、安心して利用ができます。
運営ノウハウの提供がうけられる
未経験者でもスムースに経営を進めて行けるように、運営マニュアルや研修などのサポートを手厚く受けることができます。
軌道に乗るまでの時間、労力、コストを最小限に抑えることが可能になります。
本部のサポートが受けられる
開業時だけではなく、オープン後も集客支援や経営のアドバイスなど継続的に受けることができます。
なかにはネットで共有在庫を管理していることもあり最寄りの加盟店とシェアができ、効率的に集客を行なっているところもあります。
インドアゴルフのフランチャイズのデメリット
契約時のフランチャイズ加盟金やロイヤリティの支払い、設備投資などまとまった開業資金が必要となります。
各社条件が異なりますので、事前に調べておく必要があります。
加盟金がかかる
文字通り本部の加盟店になる際、契約金時に支払う一時金が150万円~350万円程度かかります。
ロイヤリティがかかる
本部に毎月一定の金額を支払わなければなりません。
8万円~20万円程度のケースが多いですが、売上に対するパーセンテージを課せられている場合もあります。
初期費用がかかる
エリアや物件などにより異なりますが、物件取得費やシミュレーターなどの設備に1,500万円~4,000万円程度の費用がかかります。
自由度が低い
本部のマニュアルに沿った経営が求められます。
加盟店が独自のサービスを提供することは基本的にはできません。
インドアゴルフのフランチャイズおすすめ5選
フランチャイズを展開している企業はたくさんありますが、ここでは特におすすめの5社をご紹介します。
主に運営スタイル、加盟金、ロイヤリティ、初期費用を簡単にまとめてみました。
LAHAGOLF
LAHAGOLF24の事業のコンセプトは『ゴルフを身近なスポーツに』です。
このコンセプトのもと、ゴルフ初心者から上級者まで参加できるような会計設計、ブース数の設定、商品の設計を行なっています。
●加盟金:150万円
●ロイヤリティ:8万円
●初期費用:1,000万円~
ステップゴルフ
店舗数は100店舗以上、会員数は60,000名を突破しており、コロナ禍において1店舗も閉店なしという強い集客力が強みです。
最短3~4年で回収可能な収支もモデルであり、オープン販促で会員数200名を突破したという実績もあります。
●加盟金:要問い合わせ
●ロイヤリティ:要問い合わせ
●初期費用:要問い合わせ
GOLFEED24
全打席に世界最先端のシミュレーションゴルフシステムを完備しています。
まるで目の前にゴルフ場があるかのような臨場感と、ラグジュアリーなプライベート空間でゴルフをお楽しみいただけます。
●加盟金:100万円
●ロイヤリティ:売上(税別)の3.8%
●初期費用:2,670万円~4,170万円(打席数による)
Swing 24/7
24時間営業の室内練習場です。
無人のインドアゴルフのため、スタッフを雇う必要がなく、人件費やマネジメントに悩む必要がありません。
シミュレーターに関する備品等で仕入が頻繁に発生することもありません。
監視カメラにより防犯対策も綿密に練られていて、無人ながら高い安全性を確保しています。
●加盟金:200万円
●ロイヤリティ:100,000円
●初期費用:2,000万円
マイゴル
24時間運営の無人インドアゴルフ場です。
レッスンプロ雇用無しのビジネスモデルなので、安定収入を実現してくれます。
マシンにトラブルが発生した際は、コールセンターやメーカーが緊急対応してくれるので、無人でも安心して運営できます。
●加盟金:350万円
●ロイヤリティ:150,000円(税別)
●初期費用:要問い合わせ
インドアゴルフのフランチャイズはいくら儲かるの?
ここからは、インドアゴルフ練習場の加盟店を募集しているフランチャイズ本部が提供している収益のモデルケースをもとに見てみましょう。
収支モデルA店の例(月会費のミニマムは11,000円(税込)地域により異なる)
開店費用
項目 | 金額 |
---|---|
加盟金 | 2,000,000円 |
ゴルフシミュレーター 3台 | 9,000,000円~ |
内装及びブース工事 | 8,000,000円~ |
広告費(チラシ作成・配布費) | 600,000円~ |
雑費 | 600,000円~ |
合計 | 20,200,000円~+物件取得費 |
※税別表示
月々のランニングコスト
項目(例) | 金額 |
---|---|
店舗賃料 | 400,000円 |
光熱費 | 30,000円 |
システム代(一式) | 45,000円 |
雑費 | 50,000円 |
ロイヤリティ | 100,000円 |
合計 | 625,000円 |
※税別表示
運営
項目(例) | 金額 |
---|---|
月会費 | 13,200円 |
入会金 | 5,500円 |
貸ロッカー(6か月) | 16,500円 |
※一例のため、売上を保証するものではありません。
<会員数>
営業月数 | 人数 |
---|---|
1ヶ月 | 104名 |
2ヶ月 | 123名 |
3ヶ月 | 140名 |
<3か月目の収入>
項目 | 金額 |
---|---|
月会費(140名分) | 1,848,000円 |
月々のランニングコスト | -625,000円 |
入会金 | +α |
月々貸ロッカー | +α |
収支
インドアゴルフの場合は定額の会費制(月額)の運営が多く、売上のアップダウンが少ないストック型のビジネスモデルです。
今回の収支モデルの例では、3か月目でおよそ120万円の収益となっています。
開業資金などに費用がかかりますが、会員数を増やしていけば、収益性の高いビジネスといえるでしょう。
インドアゴルフ事業の成功のポイントは?
インドアゴルフを経営していく上で大事なポイントはたくさんありますが、特に大事な3つのポイントを紹介します。
顧客獲得
インドアゴルフに限らず、すべての事業に共通しているのは「お客様」です。
会員の獲得、拡大がもっと重要です。
フランチャイズ経営であれば、本部から宣伝広告を利用しての集客サポート、アドバイスなどバックアップがもらえます。
立地条件
どこにインドアゴルフ場をつくるか、立地条件はとても重要です。
フランチャイズ経営では、母体企業が事前に入念なマーケティングを行ないますので、間違いのない場所に出店を決めます。
良質なサービスの提供
お客様のニーズに応える良質なサービスの提供が重要です。
フランチャイズ経営では、会費の定額制やスクールの充実などお客様にあったサービスをパッケージ化しています。
新型シュミレーターの導入など実施し顧客の囲い込みを行なっています。
インドアゴルフの市場動向
ここまで、フランチャイズの成功のポイントまでみてきました。
気になるところは、今後のインドアゴルフのマーケットです。
主要都市の施設数の増減、利用者の世代・傾向について探ってみましょう。
施設数の増減
●アウトドア施設数と増減
都道府県 | 施設数 | 増減 |
---|---|---|
東京都 | 142 | △7 |
神奈川県 | 116 | 0 |
埼玉県 | 128 | △1 |
千葉県 | 118 | △1 |
大阪府 | 71 | 0 |
●インドア施設数と増減
都道府県 | 施設数 | 増減 |
---|---|---|
東京都 | 596 | 61 |
神奈川県 | 142 | 15 |
埼玉県 | 88 | 22 |
千葉県 | 83 | 14 |
大阪府 | 164 | 21 |
好調なゴルフコースと比べると、ゴルフ練習場全体の数字は大きく伸びていません。
特にアウトドアのゴルフ練習場は閉鎖が多く、施設数が減っています。
一方インドアゴルフ場は首都圏では軒並み増加傾向にあります。
特に東京都内ではインドアゴルフの施設数、増加数も含めてダントツです。
世代と傾向
2025年問題で今後団塊の世代のゴルフ人口が減る中で、コロナ禍により20代から40代の若年層のゴルフ人口が増えています。
プライベート空間を大事にする若者たちは、「手軽さ」と「便利さ」「新しさ」を求める傾向があります。
仕事帰りや休日に、カジュアルな雰囲気で楽しめる気軽さが人気のようです。また、車を持たない若者にはインドアゴルフの立地もマッチングしています。
インドアゴルフの魅力
屋内で楽しむことのできるインドアゴルフは、外の世界の条件に影響されることなく、一年中練習やプレイが可能です。
ここでは、インドアゴルフがなぜこれほどまでに人気があるのか、その魅力を3つのポイントで紹介します。
天候に左右されない
インドアゴルフでは、雨や風、暑さや寒さなど、天候により稼働率や集客率が変動することはありません。
雪の影響も受けることなく、全天候型の対応施設で安定した経営ができることは最大の魅力と言えます。
会員制で安定収益を作りやすい
インドアゴルフは、基本的にストック型の会員制ビジネスのため会員数を増やすことにより、長期間に安定的な収益が見込め収益予測が立てやすいのも魅力です。
24時間営業で無限の集客
24時間無人受付で経営しているインドアゴルフ施設であれば、深夜・早朝などの時間に縛られることなく集客することができます。
また無人化により人件費の節約ができ、高い収益が望めます。
インドアゴルフの将来性
インドアゴルフの世界は、技術革新によって大きな転換期を迎えています。
特にシミュレーションゴルフは、その進化において中心的な役割を果たしており、この分野の将来性を大きく左右しています。
以下では、シミュレーションゴルフがインドアゴルフの未来にどのような影響を与えているのかを掘り下げていきます。
カギはシミュレーションゴルフ
自分のスイングを録画できるのはもちろん、高性能センサーが打球の軌道を再現したり、また世界中の名門コースのデータが搭載されていて、実際にラウンドをしている感覚が楽しめます。
また、メーカー主催で、オンライン大会も開催され、大いに盛り上がっています。
天候に左右されずに練習ができるほか、場所によってはお酒を楽しみながらゴルフを楽しむこともできます。
他にもインストラクターの指導の下で本格的なトレーニングも可能です。
通常のゴルフ場でのプレーヤーが減少しても、インドアゴルフファーは逆に増えるかもしれませんね。
まとめ
インドアゴルフは、将来的にも市場の拡大が見込まれる事業であることは間違いないでしょう。
但し、インドアゴルフは初期投資が大きく、シミュレーターなどの購入費用やリース代の回収を含めると
長年営業を継続しなければ大きな収益は望めません。
ただ、運営のノウハウを享受できるので、全く経営の経験がない方でも大きな失敗をしてしまうことが少なそうです。
初めての店舗運営を行なうという方は、フランチャイズ店舗から挑戦していくことをおすすめします。